井上ひさしほか著 文学の蔵編 井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 新潮文庫(平成14年)

井上ひさしが亡くなって8年。すっかり存在すら忘れていた。この本は一関で開いた彼の作文教室の文庫化。井上ひさしにちゃんと教えてもらえば、私もうまくなるかなと思って読み出した。作文教室は原稿用紙の使い方から始まった。知らないこともたくさんあった…

カメラを止めるな(2017日本)ユーロスペース

話題の映画を見に行く。ゾンビ話に飽きた頃から展開して後半はケラケラ。低予算映画だけど話題になるはずだ。「安い」「速い」「仕上がりソコソコ」の監督という設定が笑えてしまう。今、社会に求められているのは、まさにそれ。お手頃値段でそこそこ満足。…

中野孝次 「ブリューゲルへの旅」 河出書房 1980年

昭和55年の文庫本。日本エッセイストクラブ賞を受賞。まだ多感だった頃に読んだはずだが、中身の記憶がない。感動した覚えだけがほんのり残っている。再読で記憶が少し蘇った。10代の私、なかなか頑張っていたのかも。昨年はブリューゲルの「バベルの塔…

NHK ドラマ10「透明なゆりかご」

清原果耶が産婦人科の17歳の看護助手を演じるドラマ。人気マンガのドラマ化らしい。産婦人科医が瀬戸康史。先輩看護婦が水川あさみ。毎回胸に刺さるような深刻な話を、清原果耶の純粋な目線から静かに語られる。第6回「いつか望んだとき」も、胸に刺さった。…

dele(ディーリー) テレビ朝日

深夜ドラマに豪華な俳優陣。最近こういうのが多い。これもそのひとつ。主演が山田孝之と菅田将暉。前回は柴咲コウも出てきた。橋本愛が今回のゲスト。贅沢だね。ドラマは死後クライアントのデータを消去するという仕事をしている山田孝之と、それを手伝う菅…

a-nation BoA , m-flo, 東方神起 in 東京味の素スタジアム

東方神起がヘッドライナーの夏フェス。当日の午後、突然ピンチヒッターで行けることになった。会場は9割女性。お目当ての東方神起は1930からだから、夕方のアリーナ席は空席が目立つ。日が傾くと場内は涼しくなった。あのBoAちゃんの登場。BoAちゃんは相変わ…

TAP WAVE 忘れ去られたBIG WAVE vol.3 秋葉原ライブガレージ秋田犬

友人がタップを習っている。誘われて生まれて初めてタップを鑑賞した。会場は秋葉原。久しぶりに来てみれば、街の様子がすっかり変わっていた。小ぎれいな秋葉原。どこにでもあるチェーン店のお店が一杯、もはや私の知っている秋葉原はない。マンションの地…

広瀬浩二郎「目にみえない世界を歩く 「全盲」のフィールドワーク」平凡社新書(2017)

友だちに目の不自由な人がいるので買ってみた。著者は大阪にある国立民族博物館の学芸員。「触れる」展示に力を入れている。著者によると、そもそも視覚は一瞬のうちに大量の情報を伝えるパワフルな感覚らしい。そんなことに気付きもしない「見常者」は、視…

植田正治写真美術館 「山陰にて」

米子の駅から20分ほど車で行くとある。大山がきれいに見える場所だ。灰色のコンクリートの建物がぽつんと緑の真ん中にある。写真家植田正治のことは福山雅治が好きだということで知った。テレビの日曜美術館でも取り上げられていた。少し時間が出来たのでや…

テレビ東京「宮本から君へ」

主役宮本役は池松壮亮。テレビ東京の深夜のドラマ。出演者が凄い。松山ケンイチ、柄本時生、蒼井優、ホッシャン(星田英利)。最近のテレ東のドラマは本気だ。スケールは小さめ。だけど中身は深い。そぎ落とし方が上手だと思う。今回の宮本の面白さは文句な…

夏目漱石「草枕」岩波文庫

20歳までほとんど本を読まなかった。黙読が苦手だった。目で追っても頭に入らないのだ。仕方がないから声に出さないで音読する。読む速度はカメだが、今は読書が出来る。高校生の夏休みに読む新潮文庫の100冊系はほとんど読んでいない。夏目漱石も読んだのは…

テレビ朝日「おっさんずラブ」

評判のドラマが終わってしまった。さびしい。田中圭をめぐる男性たちのラブストーリー。予想を裏切る展開で毎回目が離せなかった。何が素晴らしいかと言えば、まず主役の田中圭。どこにでもいそうな30代のサラリーマンのお兄ちゃんでありながら、上司の部長…

タッタタ探検組合「隣のゾンビ」赤坂レッドシアター

タップを習っている友人に誘われて行ったので、タップのステージだと思っていた。だが開けて見れば、タップは幕間だけで、「墓場のゾンビ」がたくさん出てくるお芝居だった。赤坂見附からすぐの地下にある小さな劇場。演者の表情も、観客のためいきも全部筒…

NHK朝ドラ「カーネーション」アンコール

過去の朝ドラの再放送が4月から平日夕方に始まった。「カーネーション」は2011年後半大阪制作。私の大好きな朝ドラのひとつ。尾野真千子の出世作で当たり役。おそらくほぼ99%見たはず。あらためて見るとあらたな発見もあり「半分青い」より面白い。母親役の…

日本TV「正義のセ」

別に大した番組ではないのである。吉高百合子が新米女性検事で奮闘する話。ペアを組む中年男性事務官が安田顕。面倒くさい主人公の凛々子に手を焼きながらも暖かく見守る。ありそうな筋立てと設定。だが、なぜか気になって毎週見ているのは、吉高由里子のせ…

オペラ「魔笛」東大和市民会館ハミングホール

国立音大のお膝元のオペラとあって学生達も参加していて若々しくて楽しいオペラだった。演出太田麻衣子と台本大山大輔のセンスがいい。謎の黄色のボディスーツの男性が登場。背中にはHの文字。「叡智」らしい。小太りの男性3人の童子。コミカルな動きに金髪…

タクシー運転手 約束は海を越えて (2017 韓国)

韓国で大ヒット、1200万人を動員したという映画。光州事件のお話。ビンボーなタクシー運転手が高額のギャラに惹かれてドイツ人ジャーナリストを乗せてソウルから全羅南道の光州に行くという話。タクシー運転手を演じるのが韓国ナンバーワン俳優のソン・ガン…

フジTV「コンフィデンスマンJP

春ドラマで早々に始まったのがこれ。早くも3回目。長沢まさみ、小日向文世、東出昌大が出る詐欺師の話。脚本は古沢良太。明るくてスピード感があって「リーガルハイ」みたい。主演の長澤まさみが昔は嫌いだったが、大河ドラマ「真田丸」から好きになった。私…

丸谷才一「夜中の乾杯」文春文庫(1990年)

「まるやさいいち」の名前を知ったのは18歳のときだった。友達になった人が読書家で、好きな作家はと尋ねたら「まるやさいいち」だと言われたのが始まりだった。彼女の部屋は本が一杯並んでいた。ちょっと難しそうな本ばかりだったから、丸谷さんの本も私に…

スリービルボード Three Billboards Outside Ebbing, Missouri (2017)

とにかく話が面白い。先が読めない展開であれよあれよと引き込まれていく。気がついたら映画が終わっていた。うーん。唸ってしまう映画だ。アメリカ南部の田舎町。娘をレイプされて殺された母親ミルドレッドが、犯人が捕まらない状態に腹を立てて警察相手に…

NHK大河ドラマ「西郷どん」第12話「運の強き姫君」

林真理子に中園ミホは「下流の宴」のコンビ。「下流の宴」は意地悪で面白かったから、今回の大河もちょっと楽しみ。さてギョロ目の西郷さんを細目の鈴木亮平はどうなんだろうと思っていたが、ここまで鈴木亮平は魅力的で、人たらしな西郷さんを素敵に演じて…

三木清「人生論ノート」新潮文庫

人生も後半戦。下り坂に入り、三木清の「人生論ノート」を読んだ。昭和16(1941)年の本である。哲学者三木清が人生のいろいろなテーマについて語っている。難解さは少しあるが、短いので読めた。執筆時は治安維持法の時代。苦心して言葉を選んでいると後か…

テレビ東京「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら」

テレビのドラマが好きだ。無音の日常に灯りがともるのだ。ドラマの世界がひろがって、いつのまにか登場人物がすぐそばにいて一緒に笑ったり泣いたりしている気になる。錯覚したいのだ。忘れたいのだ。あれやこれや。大好きなバイプレーヤーズに出演中だった…

グレイテスト・ショーマン The Greatest Showman (2017)

本当は「空海」のつもりだった。急に気が変わったので、席が大型スクリーンの前から2列目の端っこになった。仕方ない。世界は歪んでいる。お話はアメリカの有名な興行師PTバーナルの実話らしい。貧乏な男が裕福なお家の女の子と結婚して、サーカスを始めて…

日テレ「もみ消して冬 わが家の問題なかったことに」

これは文句なく楽しいドラマ。主演の山田涼介はエリート警察官。姉の波瑠は敏腕弁護士。兄の小澤征悦は天才外科医。父親の2代目中村梅雀は有名私立中学の学園長。毎度起こる不祥事を、末っ子山田涼介を中心にむりやりもみ消すという話。小澤征悦も波瑠も顔…

フジTV「海月姫」

フジテレビの評判の悪い月9だが、「海月姫」は結構好きだ。朝ドラ「べっぴんさん」の芳根京子は、「表参道高校合唱部」から好きだし。蔵之介役の瀬戸康史くんも「グレーテルのかまど」でお馴染み。瀬戸君の義理の弟、工藤阿須加はどうでもいいが、瀬戸君が…

オペラ「夕鶴」 新宿文化センター大ホール

2日間のオペラ公演の2日目を鑑賞。キャストは1日目と2日目で異なり、変わらないのは児童合唱だけ。「こどもの城児童合唱団」の歌声で幕が上がった。作曲は團伊玖磨、和物オペラでは有名な作品らしい。登場人物は4人。主役「つう」を演じるソプラノの伊藤…

TBS「99.9 刑事専門弁護士 seasonⅡ」

冬ドラマの中では視聴率が一番いいらしい。やっぱり面白いからね。前回よりも今回の方が面白いのは登場人物のキャラが安定してきたせいかな。木村文乃も初回は痛かったが、回を重ねるごとにおさまってきた。松潤の無駄な美形やら、ラーメンズの片桐君とも、…

希望のかなた Toivon tuolla puolen(2017)

フィンランドのアキ・カウリスマキ監督作品。マキ・カウリスマキはお兄さんで、兄弟で映画監督らしい。映画は、シリア難民のカーリドが家族を失い、唯一生き残った妹と生き別れになって、ヘルシンキに辿りついたところから始まる。並行して、アル中気味の奥…

現代女流書100人展 セントラルミュージアム銀座

このたび結婚を延期された眞子様もご覧になったという書展を見に、異国情緒一杯の銀座に足を運ぶ。毎日書道会主催の書展なので、案内も「大字」「かな」「近代詩」などに分類されている。会場に入ると客もスタッフも、圧倒的に年配の女性が多い。日本の書道…