林真理子の「野心のすすめ」

近所の古本屋さんで見つけて購入。発売された時にも気になっていたが買うには至らず。意地悪で辛辣、でも前向きで力強い。やらなかった後悔はどんどん肥大するとか、恥ずかしい経験も、喉元過ぎてしまえばとか、うんうんと、うなづいてしまう。電車の中でこれを読んでいると、「野心満々」に見えるのではと、いらぬ心配もした。彼女の文章は読みやすいので、あっと言う間に読みおえた。明日からは安心。でも野心は表に出すか、出さないかだけの違いで、多かれ少なかれ、皆、野心満々だ。彼女のように、あけっぴろげにする人の方もいるが、レビューでは、『林真理子の自慢話ばかりで、辟易した』という人もいた。そういう人に野心がないわけではない。隠している人の方が、その全容が見えない分、恐ろしい。女性の世界はシンクロナイズドスイミング。水の中の努力も足の引っ張り合いも、水上では出してはいけない。にっこりほほ笑むのが基本原則。林真理子牡羊座。アリエスの女は火の球のように進む。☆☆☆☆