新宿ハルク８Ｆに加賀料理「大志満」へ行く。昔家族だったけど、今は家族もどきになってしまった方々に連れてきて頂く。個室は静かでゆったりとして「もどき」の関係にはちょうど良い。食前酒はやまもも。豆乳寄せのカニ味噌かけ。サトイモのそぼろあんかけ。鮟鱇の肝のふかし。お造り盛り合わせ。冶部椀。鰤と大根。鱈の昆布巻。炊き込みご飯、ラフランスにジュレ。どれも大変美味しかった。特に豆腐のカニ味噌と冶部椀が印象に残った。加賀料理というと冶部煮を思い出す。綺麗に結んだ麩が茶色の濃厚な汁に浮かんでいた。美しい料理だった。郷土料理というと野趣あふれるイメージもあるが、加賀料理は別格だ。思えば金沢には久しく行っていない。訪れたのは２回。１８歳の頃と、２６歳の頃だった。あの頃の自分の想像をはるかに越えたところに、今はいる。今の想像をはるかに越えたところに、これから行くのだ。少々心細いが、家族のように思って下さる人がいるから、きっと大丈夫だ、と言ってみる。ご馳走さまでした。
