Learning to Drive (2015)

価値観も生活習慣も異なる人間が出会い、摩擦を生じながらも、やがて友情を育む。よくある話だが引き込まれた。舞台は人種がまじりあうニューヨーク。辛口の中年女性作家ウェンディは運転が出来ない。夫が運転出来たので今まで不便を感じたことがなかった。でもその夫は彼女の元を去る。失意のウェンディはインド人シーク教徒のダルワンから運転を習うことになる。一方真面目なダルワンは近々インドの親戚が決めた女性と結婚をする・・・。日本も少し前は、親戚や周囲の人が決めた相手と結婚するのが、一般的だった。弊害もあっただろうが、多くの人に結婚のチャンスがあった。今のような結婚の自由競争時代は大変だ。格差は広まり、結婚難民が生まれ、非婚率は上昇し続ける。一夫一妻制もあるから、優秀なオスの遺伝子をひとりのメスが独占。子どもも増えない。保育園で少子化は解消しない。街には、孤独な若者、中年が一杯。やがて全員が老人になる。「ひとり」ならせめて運転くらいはしないとね。「ひとり」ならせめて友情くらいは育まないとね。