金沢 柳宗理記念デザイン研究所

金沢からは北陸新幹線で帰ることにした。久しぶりに来た金沢駅はキレイになっていた。いろんな駅がみんな京都駅みたいになっていく。いいんだか、悪いんだか。お天気が良かったので駅からぶらぶら歩いて行った。グーグル先生によるとちょうど20分。近江町市場を越えてしばらく行くと、目的地に到着、研究所がある尾張町は古い景観を残した地域で、オシャレなカフェやらお店がぽつりぽつり、控え目にあった柳宗理は、インダストリアルデザイナーで、金沢美術工芸大学の先生だった。お父さんが民藝運動柳宗悦。宗理デザインのバタフライツール(天童木工)が入り口に置いてあった。展示は少し。柳宗理デザインの食器や料理道具が並ぶ部屋があるだけ。シンプルで美しいデザインの食器が並ぶ食卓は新婚家庭を思わせた。食卓を囲む新婚夫婦の妄想が膨らむ。妄想は3つでおしまい。ハネムーン気分のようにあっさりと終わる。建物の中庭を挟んで隣が泉鏡花文学館になっている。モダンな部屋から出ると、瓦葺きの日本家屋。金沢っぽい。折角なので、昔好きだった犀川に出てみた、犀川は記憶にあるより小さい川だった。記憶はいい加減だ。いつのまにか、都合よく塗り替えられている。しかしだからこそ生きていけるのだろう。忘れることは大事だ。嫌な思い出がいつまでも鮮明に残っていたら、つらすぎる。私の金沢の思い出もいいとこしか残っていない。近くまできたので有名な飴屋さん、俵屋へいく。俵屋は変わらぬ佇まいらしい。引き戸をあけるとその音でお店の人が出てきた、試食用の飴を慣れた手つきで楊枝に巻いてくれる。頂いてしまったので買って帰ることにした。金沢と東京は北陸新幹線で2時間28分。あっという間に東京だ。世界も、日本も、どこへ行っても同じような風景が増えた。どこに行っても同じでつまらないなあと思う。これは私のワガママなのだろうか。