テレビ東京「宮本から君へ」

主役宮本役は池松壮亮テレビ東京の深夜のドラマ。出演者が凄い。松山ケンイチ柄本時生蒼井優、ホッシャン(星田英利)。最近のテレ東のドラマは本気だ。スケールは小さめ。だけど中身は深い。そぎ落とし方が上手だと思う。今回の宮本の面白さは文句なく池松君、池松壮亮だからいいのである。純粋さと不器用さと大胆さをごちゃ混ぜにした、若い男の子のエネルギーを絶妙に演じている。暗い声の童顔がちょっと微笑むとキュンと来る。松山ケンイチの生ぬるい感じもいい。何かが落ちたね。良くなった。でもホッシャンがもっといい。あの年代の男性の悲哀もあるし、懐の狭さと深さを同時に感じさせる。ちょっといそうでいない役者になったかもね。青春の輝き。二度と取り戻せないから尊い。ドラマの池松君演じる宮本のエネルギーの不器用なぶつかり方は、誰もが抱く20代の胸の痛みみたいなものを思い出させる。傷だらけの心を抱えながら、みんな大人になって行く。痛みが消えたら、何か置いてきてしまったことに気がつく。浦島太郎の玉手箱だね。ああ、こんなに私は年をとってしまったのかと呆然とする。浦島太郎はじいさんになってからどのくらい生きたのだろうね。桐谷健太が心配だ。