「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)

クィーンのことはよく知らないで見に行った。映画の出来事が本当かどうかは分からない。映画はとても良かった。前半はフレディ・マーキュリーの話し方が気になってうまく乗れなかったが、後半はどっぷり。涙ぽろぽろ。クィーンの音楽は美しくて力強い。子どもの頃から聞くともなしに聞いていた音楽が、映画を見て急に芽吹いたような感動があった。しばらくはクィーンを聴いて浸りたい。天才フレディ・アマーキュリーはHIVで亡くなった。今はHIVの話はあまり出なくなったが、当時は皆が怖れおののく病気だった。まあ、今も怖い病気に違いないのだか。フレディは成功し、天才の宿命「孤独」を募らせ、気がついたら病にも冒されていた。その絶望たるや、マリアナ海溝並みに深かったはずだ。残り時間が見えると人は迷いが消えていく。これも神様の計らい?ただ純粋に命を燃やし尽くすその姿は切ないが、神々しくもある。神がかり的な才能を人はうらやんでしまうが、神に愛されてしまうと引き換えにとんでもない不幸を背負うものだ。才能の欠如を嘆くべらかず。どんな天才でさえ、結局のところ、赦して欲しいのだ、頭ナデナデされたいのだ。母から、父から。愛する人から。ただその胸で眠ることだけを夢見て人生の荒野を放浪するのかもしれない。合掌。