ペール・ヴァールー&マイ・シューヴァル著「笑う警官」(角川文庫1972年)

スウェーデンの警察小説。夫婦が共著で書いている。マルティン・ベックシリーズとして10作ほどあるらしい。そのひとつがこれ。ストックホルム郊外で2階建ての路線バスで殺人事件が起こる。その捜査の中心がマルティン・ベック刑事だ。北欧というと、ムーミンアンデルセン、オシャレな家具やら、充実した社会福祉しか思い浮かばなかったが、警察小説を読むと、いづこも同じ秋の夕暮れ。酔っ払いもいるし、麻薬中毒もいるし、詐欺師、売春婦もいるのだ。世界のどこかの国が幸せ一杯パラダイスというわけではない。小説は面白い。スウェーデンの地名やら名前に馴染みがないので、そこに戸惑うことはあったが、とにかく飽きるこなく読み進められる。殺人課の刑事たちの個性がしっかり描かれている。後半、全方位から渦巻きのようにぐるぐると事件の核心に近づいていくあたりは見事だ。古い小説だが北欧を知らないせいもあるが、古さを全く感じない。さすがミステリーの賞を取る作品だ。寒い冬はミステリーを読むのには最適かもしれない。暖かい部屋でゆっくり読みたい。ミステリーと寒さには何か引き合うものがあるのかもしれない。とすると北欧ミステリーが面白いのもうなづける。年末年始はミステリー三昧にしよう。ちょっと楽しくなってきた。