小川眞「キノコの教え」岩波新書(2012年)

キノコは低カロリー。なので毎日のように食べている。キノコが菌類だとはなんとなく知っていたが、植物の中に菌類は含まれていないとは知らなかった。無知の極まり。スーパーで野菜の隣に並んでいても出自は全然違うのだ。こんなに年をとっても知らないことが山ほどある。だから一生勉強てすな。さて、この本はキノコの先生が菌類の進化から毒キノコの話や人類の共生に至るまで、平易に語っている。木は菌類と仲良くすることで生きているということ、炭が菌類を助け木を助けることなど、チコちゃんも知っているかどうか。そして2011年の東北の震災。海岸の松林は消え、キノコはセシウムを吸収するようになった。地球の変化をキノコたちは私たち以上に敏感に感じているらしい。菌類は動物と同じように誰かの栄養をもらわないと生きていけない。でも動物と違うのは相手と共生していく。キノコの先生の言う通り、私たちもこれからは菌類的に共生の道を歩むべきなのだと思う。たとえ、簡単ではなくても、もう殺しあっている場合ではない。お互いを必要とする関係を多くの人と結ぶこと。キノコの菌糸が絡まるようにね。