ロード・オブ・カオスLords of Chaos(2018イギリス・スウェーデン・ノルウェー)

東京ノーザンライツフェスティバルの映画。この催しも10年目。すっかりメジャーになったせいかチケットの売れ行きは好調みたい。映画はノルウェーのメタルバンド、MANHEM のお話。メタル系の音楽に疎いので実際の話とどれくらい離れているのかは全然分からない。悪魔崇拝系と言われてもキリスト教の人でもないのでピンと来ないし。ただ堅実で真面目な国ノルウェーといえども、荒ぶる魂は存在するのだなあと思った。青い目で金髪の彼らは悪魔的にするために髪を黒く染める。黒髪の日本人は金髪に染めて、荒ぶる魂を表現する。面白いものだ。さて、映画はR18。血が激しく飛び散るし、ナイフで自らの体を切り裂くし、あげくのはてには、ナイフで背中を何十回も突き刺すし。過激な映像が結構あって、目を覆ってしまった。とても見ていられない映像を久しぶりに見た。ボーカリストの彼、Dead と森の中をさまようシーンが美しかった。若者の危うさとは、小さなボタンのかけ違えのようなもの。はじまりは些細でも、やがて本人たちでさえ手に負えない狂気になる。その過程が流れるように描かれている。飽きなかった。悲惨なのたけど、終わった時はスカッとしてた。不思議な作品。メタルも悪魔崇拝も特別なことじゃない。誤差の範囲。それぞれの生きていくための必要な道具。生きて生きて皆死んでいく。誰が死んでも世界は続くし。