2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

白洲正子「日本のたくみ」新潮文庫(初版1984年)

白洲正子が日本の工芸品作家を訪ねるエッセー。彼女の審美眼の高さは言うまでもない。驚いたのは、彼女でさえも職人さんたちに取材するのは困難だったということだ。美貌とお金。好奇心と行動力。元華族のお嬢様でも駄目は駄目というのが、ちょっと嬉しい。…

2月文楽公演「新版歌祭文/傾城反魂香」国立劇場小劇場

このトシになって初めて人形浄瑠璃を見た。お昼の第二部を鑑賞。予想以上に驚きがあった。まず人形が意外に大きい。頭は小さくて10頭身。三人の男性が操作する。主な使い手だけが顔出しだが、あとは黒子である。見慣れてくると顔出しの人さえ気にならなくな…

パラサイト(韓国2019)

アカデミー作品賞の話題作。周囲はいまいちだと言う人が多かったが、私は面白かった。「万引き家族」より好きかも。映画は韓国の格差社会をコミカルに描いている。後半は流血でホラー。展開の雑然さが韓国っぽい。はっきり語らず余韻を持たせるのが好きな人…

ロード・オブ・カオスLords of Chaos(2018イギリス・スウェーデン・ノルウェー)

東京ノーザンライツフェスティバルの映画。この催しも10年目。すっかりメジャーになったせいかチケットの売れ行きは好調みたい。映画はノルウェーのメタルバンド、MANHEM のお話。メタル系の音楽に疎いので実際の話とどれくらい離れているのかは全然分からな…

NHK「心の傷が癒やすということ」

全四話のドラマで昨日終わった。柄本佑が在日韓国人の精神科医師、安先生を演じる。阪神大震災から25年。話は当時震災で心に深い傷を負った人々をなんとかしたいと必死で取り組んだ医師のドラマだった。最終回で癌におかされた安先生が言う。「心の傷を治す…

NHK「麒麟がくる」

沢尻エリカ様のおかげで始まる前から話題の大河。前作「いだてん」の低迷もあって、NHKの主な視聴者である高齢者の皆さんが待ってましたと見ているのか、視聴率はいいみたいね。主役の長谷川博己もだが、好きな役者さんがたくさん出ていてる。モックンもそう…

藤沢周平「冤罪」(昭和57年初版)

藤沢周平の初期の短編集。読み始めると、するすると江戸時代にタイムスリップできる。「武家物」と呼ばれる江戸時代のあまり石高が高くない武士の話である。いわゆる江戸時代のサラリーマンの話。筋立てがどれも面白い。滑らかな語り口は、美味しいお酒のよ…