重松清原作のネコにまつわる一話完結の連続ドラマ。この間の富田靖子の話が2週連続で最終回だった。西島秀俊に興味がないので、期待せずに見ていた。でも、最後にドーンときた。富田靖子は48歳の地味なバツ2の独身女性。暗くて寂しい人生を送ってきて、その上、今は胃がんにかかっている。ひとりぼっちの48歳の女。富田靖子は地味だけど、真面目に生きてきた中年女性をうまく演じていた。「さびしんぽう」富田靖子は薄幸が似合う。どこかさびしげで悲しい。会社のお金を持ち出し、最後の旅に出かける。旅の道連れに、西島秀俊のところからネコのクロを連れていく。西島秀俊は、妻を亡くしていた。仕事が忙しいと、クロを病院に連れていって欲しいという妻の頼みを断り、妻はクロを連れて出かけて交通事故で亡くなった。年齢を重ねて迎える絶望と後悔、孤独とむなしさ、そこにそっと寄り添うのがネコなのかもしれない。まさにブランケットキャッツ。毎回毎回、ネコが登場する。どのネコも個性があって、名演でかわいい。猫好きではまったくないのだが、ネコを飼いたい気持ちが少しわかった。それにしても重松清ワールド、これに涙するようになったら、まぎれもなく人生は後半だ。ほんと切ないねぇ。