梅原猛「百人一語」新潮文庫1996年

先日亡くなった梅原猛の本を読んだ。100人の日本人の一言をテーマにそれぞれ3ページで簡潔にまとめられた話は、よく知る歴史上の人物から、聞いたこともない人まで、面白くまとめられている。無知な私にも読みやすい。どのページも、ひぇーと思うことばかりで楽しくあっという間に読み終えた。古代から中世までを好む私の興味と重なった部分も多い。こんなに面白いんだったら、もっと読んでおくんだった。いやあぁすごいすごい!と感動していたが、ウィキで梅原猛を読んだら、梅原氏への批判も多いらしい。なるほど。意見はいろいろあるらしい。ちょっと冷静にならなくては。あとがきに、新しい仕事を始めることで、新しく勉強できるということを喜んでいるとあった。今までやってきたことを本にまとめるというのもあるが、本を書くために勉強できるというのがいいと言う。93歳まで生きた知の巨人はやはりすごい。もう人生の晩年だと夕焼け気分になっていてはいけない。好奇心旺盛のまま、にやにやしながら死にたいものだ。