天気の子(2019)

新海誠の最新作。前半はつまらないと思った。そもそもこの絵があんまり好きじゃない。ただ終わってみたら、感動してた。不思議だ。今回の映画は舞台が東京。東京に馴染みのない人にも面白いのかなあ。あ、これ、あそこの景色だという発見が楽しかったのだ。そして東京が壊れていくのがいい。東京は駄目だ。一度ちゃんと壊れないといけない。だから沈みゆく東京に少し未来を感じた。絵のアングルが今回はお天気ということもあり、人工衛星からの視点?空飛ぶ視線。宇宙を遊泳する視線。神の目線か、はたまた心の目線かと目まぐしくて良かった。音楽は再びRADWIMPS 。少年少女の無垢で乱暴な魂はこんな感じだという気がした。晴れ女のおかげでこの世は守られていたなんて、究極のファンタジーだが、大人になってもファンタジーは必要。むしろ大人が生きる世界は限りなく色褪せているのだから。連日の猛暑、頻発する洪水、異常気象にさらされる今、私たちはファンタジーの中で暮らす小人なのかもしれないね。終わってみるとエピソードが重なり表面的な事象に深い奥行きが出来ている。奇跡を信じる、幸せの素?みたいな気持ちがしっかり芽生えてたりするのだから、おそるべし新海誠ワールド。祈りの力はホント、バカにできない。