江戸のエナジー 風俗画と浮世絵 静嘉堂文庫美術館

季節外れの暖かさもあり、ちょっと散歩がてらに静嘉堂文庫の美術館まで行った。展示の最終日だったこともあって、人はたくさんいた。三菱財閥所有の錦絵やら屏風やらが展示されていた。さすが財閥、立派なコレクション。江戸のエナジーの入口は、英一蝶と円山応挙の掛け軸。応挙のはゾウの上に腰かけた美人。出口最後は鈴木基一。チェック柄の軸に色鮮やかな美人画。いい並び。私は其一が一番好きかもしれない。小さな美術館は疲れなくていい。ここには庭園もある。今はちょうど足元に水仙、見上げれば白梅、紅梅が咲いている。寒い時期から咲く梅は人々の春への憧れだなあと思う。今年はひときわそう感じた。最近、浮世絵の本を読んだ。浮世絵研究の本も、江戸の小説も読んだ。そんなこんなで多少知識の堆積ができたせいか、鑑賞していても楽しかった。とはいえ、適当に眺めているだけ、難しい漢字が読めた程度だが、ちょっと嬉しい。コロナで仕方なく家の中で本を読んでいたのだが、学べば、見える世界が変わってくるものだなあと実感した。世の中は、家電がどんどん壊れていく古い家のように、政府も、マスコミも、災厄の日々を伴って奈落へと進んでいるようだ。がっかりにも飽きてしまった。そんなことではいけないのだろうが、日々研鑽という名の逃避を続けている。