TBS「石子と羽男 こんなコトで訴えます?」

初回見た時はしっくりこなかったが、回を重ねるごとに面白くなってきた。最初に感じた違和感は中村倫也のファッションからか、有村架純の演技の既視感かよくわからない。見れば見るほど心地よくなるのは、「拙いけど誠実がいいよね」を描いているからかもしれない。中村倫也の不器用な弁護士と、頑固なパラリーガル有村架純の、権力とは無縁の弱そうな2人の話にホッとしている。何でもかんでも背負って、ひとりで生きていかなくていいよね。そう頷いてもらっている気になる。ひとりは無力である。誰もいない部屋でひとり悩んでいると、深い深い闇に落ちる。ひとりじゃなければ落ちないような底の底まで落ちてしまう。でも私達はただの無力な人間という点では、誰もが等しい。多少の違いはあっても、同じホモ・サピエンス。誰もが闇の底に落ちる可能性を抱えながら、日々不安を遠ざけて生きている。だから情けは人の為ならずなのだ。いつか自分に手を差しのべて欲しいので、誰かが泣いていれば、行って話を聞かねばと思うのだ。