もう何回見たかわからない。好きだからまた見てしまった。インドが特に好きというわけではない。でもひきつけられる。インドの人口は14億人、国土も大きく、ここ最近の経済発展も目覚ましい。停滞日本とは真逆で、我が国はきっともうすぐインドに追い越される。この映画は今より少し前のインドが舞台、インドが抱えているさまざまな問題を各所にちりばめながら、スラム生まれの無学な青年がクイズ番組で大金を得るというお話。イスラム教徒とヒンズー教徒との確執やら、格差社会やら、問題山積なのだが、それを上回る勢いがインドにはある。インドのパワーはこの映画のラストシーンに象徴される。インド映画お決まりのダンスシーンだ。あれを見ていると不思議と楽しい気分になり、体が動き出す。以前地上波の放送でここがカットされていて衝撃だった。このダンスシーンなくして映画は成立しないのに。インドは多民族、多言語の国、混沌とした大きなメルティングポット。神様の大きなスプーンで掻き混ぜられて、渦の中で揉まれた人々は逞しい。この映画はそんなインドのポジティブエネルギーに満ちている。どんどん勢いなくしている我が国、そして我が身だが、このまま息絶えてしまうのも悲しい。もう少し頑張ろうね。