監督はアランパーカーだったのか。アルゼンチンの国民的マドンナだったエビータを、マドンナが演じたことで話題になった映画。全編音楽に乗せてのセリフだったことも、アントニオ・バンデラスがナビゲーターとして歌い続けていたのもとてもよかった。マドンナのDon't cry for me Argentinaという歌は何度聞いても鳥肌がたつ。楽曲も歌唱も素晴らしいのだが、加えてマドンナとエビータが一体化しているからかもしれない。アルゼンチンの田舎町の15歳の娘が、大統領夫人にまで駆け上っていった人生とマドンナ自身が重なりあっている。スターや英雄にダークサイドがあったとしてもおかしくない。光が濃いほど影が目立つ。特に女性は叩かれる。だからこそ、強い女性は魅力的だ。さて、アルゼンチン国民に愛されたカリスマのエビータも病気には勝てず、なんと33歳で亡くなる。ブエノスアイレスのレコレタ墓地のお墓には今も花が手向けられ、その人気ぶりがうかがえる。アルゼンチン南米のパリと言われたブエノスアイレス、数年前に行ったアルゼンチンの旅を懐かしく思い出した。遠い国なのでもう行けないかもしれない。でも旅に限らず、今可能なことがいつまでも延々とあるとは限らない。何事も一期一会。真剣勝負で行きましょう。もう二度と来ない今を。