クリントイーストウッドの若い時の主演監督作品。当然だが、若くてカッコいい。お話はクリントイーストウッド演じる警察官が証人保護のためラスベガスへの出張を命じられ、着くやいなや、証人の売春婦共々消されそうになるお話。映画はテンポよく進む。あっという間に主人公はラスベガスへ行き、あっという間に銃撃され蜂の巣にされる。1時間40分の短い映画だが、銃撃のシーンは長め。執拗な攻撃を受ける主人公の気持ちにすんなり入る。映画の神様クリントイーストウッドは、若い時から既に才能だらけだったと感心する。役者の方も悪くないが、監督作品にハズレなし。古いのも面白い。誰もが感じる不条理や怒り、悲しみや慈しみをシンプルに描いている。とはいえ、適切にかつ簡潔に表現するのは難しい。何を切り取り何を捨てるか。価値観が試される。身の回りのものや、広がり過ぎた人間関係を整理するのもややこしい。旅と似ている。不便でも軽く行きたいか、便利であれば多少重くても平気か。軽く行きたいなあ、旅は。フッとどこかにふらふらと立ち寄れるように。人生はそうもいかないけれど。