映画館でみたのだが、大好きだったので録画してまた見た。また感動できたのは、きっと主演ルビー役のエミリア・ジョーンズの歌唱にある。4人家族にひとりだけ耳が聞こえるコーダの娘が主役。コーダとはろうの親を持つ聞こえる子どものこと。ろうの家族の中で通訳として家族を支えている。ルビーには皮肉なことに歌の才能があった。家族は当然ルビーの歌を聞いたことはない。たまたま入ったコーラスクラブの先生に才能を見出され、大学進学を夢見る彼女だが、家族の危機を前にして夢を諦めるか、という話。以前、ろうの世界を描いたドキュメンタリーなどを見て、手話の世界が自分の想像していたのと大きく異なることを知った。手話は日本語のひとつだと思っていたが、手話は英語やロシア語のような外国語に近い。聞こえる人が使っている日本語とは別の世界だった。この映画でも、母親が娘が誕生したときに耳が聞こえると知ってがっかりしたというシーンがある。同じ世界を生きられないと母は思ったからだという。耳が聞こえなくてかわいそう。単純にそう思っていたが、英語も話せないなんて、かわいそうと、英国人のおばあちゃんに思われる日本人と同じだった。偏見のない世界とはなかなか難しい。自分はイケてると思っている者こそ、猛省すべきだ。本当にすみません。