始まった頃の斬新さはすっかり無くなってしまった夜ドラ。今回は久しぶりに見ている。永作博美の変なおばちゃんのせいでもあるし、蓮佛美沙子の美しく強情なパティシエのせいでもある。なにより毎回出てくるケーキが楽しみ。先週はフルーツタルト、今週はオペラ。おまけにザッハトルテ。心がささくれだった人がケーキを作ることで再生への一歩を歩みだすっというドラマらしい。何年か前に本格的に心が壊れた時があった。その時は味覚がなかった。強いお酒を飲んで目眩しながら眠った。辛すぎたせいか心の枠が外れて、本来なら耐えられない他人の目線や声が全く気にならなかった。その一方、霊感のようなものが冴えまくっていた。やがてこちらの岸に戻って来られたのだが、その時には霊感はなくなっていた。立て直し方は人それぞれ。何も解決していなくても時間が進めば景色か変わる。甘いケーキでひととき逃避出来るならケーキはその人の必需品となる。ケーキがアートだというのは、そういう意味でもあるように思う。