大原美術館 本館工芸東洋館

初めて倉敷に来たのは大学生の頃だった。クラスの仲間と来た倉敷は今よりチャラくて、桃太郎キャラクターのお土産屋さんやソフトクリーム屋さんなど若い人向けの派手なお店がたくさんあった。昔ながの建物と極彩色のお店が混在していて、風情は少なめ、ある意味バブルっぽかった。そんななかでも大原美術館は威厳を持って存在していた記憶がある。重厚な石造りの洋館は、今も変わらず「倉敷」のアイコンである。折角倉敷まで来たので大原美術館を再訪。以前は竹久夢二の絵をたくさん見た記憶があるが、今回は展示はなかった。クールベの「波」はあった。ゴーギャンエル・グレコは記憶と全然違っていた。思い出を辿るのは楽しいが、記憶のいい加減さに驚く。本館隣の白壁の蔵で出来た東洋館、工芸館はバーナード・リーチや、棟方志功、芹沢銈介などがあった。今は西洋画よりこちらの方が好みであるが、エアコンの効きが悪くて長居せず流して見た。アートの好みも変わる。どんどん内向きに向かって行く。若いうちは未知の世界にあこがれて、遠くへ遠くへ、さまざまな世界を知りたかった。折り返しを過ぎた頃から、中へ中へ内なる世界が気になっていく。面白い。行ったことのある場所も再訪してみると、また違う味わいがある。一期一会、2度と同じ風景には出会えない。終わりが見えてくると何でも愛おしい。いい年齢になってきたね。