ユバァル・ノア ・ハラリ 柴田裕之訳「サピエンス全史」河出書房新社

上下巻をやっと読み終える。途中上巻後半で中断。ひと月後に再開したら、上巻の内容を少しも覚えていないことに気づく。どこまで遡っても何も思い出せない。仕方がないのでまた最初から読み始めた。2回上巻を読んだおかげで認知革命についてはよく分かった。サピエンスが他の人類を倒して世界を席巻していくのは、戦国武将話のように面白くて残酷だった。農業革命も、人類はこれで豊かになるどころか、生産に追われ1年中忙しく働く宿命を背負うなんて、ミヒャエル・エンデにも聞かせてあげたい。養鶏場で飼われているニワトリのことや、ただ食べられるだけで存在する牛も豚のことを思うと人類の繁栄なんて、と毒づきそうだが、といって、卵や肉食をやめることは出来そうにない。読み終えたばかりだが、この本の内容もすぐ風化してしまうのだろう。新しい知見を得て、新たな気持ちでモノをみると、全く同じ自分でありながらも違う世界が見えてくる。感動は刺激的だが、長続きはしない。これからも1杯忘れるだろう。でも懲りずに新しい景色を見に出かけたい。本も絵も、音楽も旅もひとときだけの喜びに終わったとしても続けていきたい。ひと粒ひと粒の輝きが連なって、この先の闇を照らす灯火となることを願って。