もんでん奈津代「子連れ南の島暮らし」人文書院(2010)

友人からお誕生日に頂いた本。太平洋の南の島で幼いお嬢さんと一緒に暮らすお話。2010年に出された本だから、ここに出てくるお嬢さんは既に20歳台半ば、お母さんの方は還暦間近かな。あの当時の日本は今よりもまだ景気がよかったね。今は停滞感が強すぎて、南の島も遠い。作者はシングルマザーではないようだが、南の島に興味のないパートナーは日本に置いて、太平洋サモア、ツバルへ幼い夢ちゃんと一緒に出かける。島の暮らしは楽しい部分が描かれているので、こういう生き方もいいなぁと無責任にあこがれた。なんでも揃う便利な暮らしにはない自由さがそこにはあるのだろうなと想像する。日本でお母さんをしていないので、母親が背負う責任やら重圧やらのリアルは分からない。だから何も言えないが、きっと横並びを暗に求める世界があるのだろう。出る杭は打たれる。杭も出過ぎてしまうと打たれなくなる。作者も幼児を連れて南の島へ行ったことで、出過ぎた杭となり、出過ぎた杭仲間が出来て、多少は生きやすくなったのだろうと思う。海外の知らないところへ行くと、知らない世界がまだたくさんあることに気づく。決められたルールのほとんどは案外自分自身が作り出していることも多い。自分が作り出す牢獄から出る為にも、何らかのパワーが必要である。そのきっかけは、知らない世界に飛び込むことだと思っている。ドキドキして危機を感じると力が湧いてくる。そう、遺伝子にスイッチを入れるには多少のリスクは必要なのだ。