朝井リョウ「そして誰もゆとらなくなった」文春文庫(2025)

旅先に持っていく軽めの本として購入したが、旅先では読まず自宅で読んだ。声を出して笑った。こんなに笑えたのも、自分自身が数年前からお腹が激弱になったせいである。著者のお腹弱弱人間の描写が全て当てはまり、身にしみたのだ。お腹が弱くなって1番困るのはお出かけである。時間に余裕を持たせて万全を期す。旅もお腹のご機嫌次第になり、楽しい旅もハードなミッションになりつつある。そもそも旅は自分を鍛える良い機会だとも思っている。知らない場所でお金を使い、未知の事態に常に対応を求められる。目的地に無事着くだけで達成感があり、新しい知見も得られてアドレナリンも出る。お家の中では叶わない活性化が心と身体に起こる。そんなわたしも著者が言うがマチュピチュに行ったことがある人になりたいという欲望もよく分かる。わたしも同じで、そう言う人になりたかったから旅をしている。そして、今では世界中どこでもひとりで行ける人だと思われている。ただお腹のせいで、以前よりずっと大変である。だからといってリスクを忌避して暮らすと、ぼんやり長生きしてしまいそうである。独り身なので長生きは厳禁。果敢にリスクを攻めるのはシンドいが、孤独や困難の先にきっと天国はあると信じて進むしかない。朝井リョウの本はこれで2冊目だが、すっかりはまっている。今度は小説を読みたいな。