中央アジアへの憧れはこの映画から始まったのかもしれない。ドローン撮影もなく、CGも大したことなかった時代の映画だが、スケールが大きくて美しい映画だった。たくさんのエキストラと馬を使った、人馬一体の戦闘シーンも迫力があった。一体どのくらいお金がかかったのだろう。時代はバブル期、もうこんな映画は今の日本では作れないかもしれない。38年前の西田敏行は実に男前だった。青年佐藤浩市も初々しくて匂い立っていた。しかしなにより素晴らしいのは渡瀬恒彦。白馬に乗って大平原に現れる姿は神々しく、冷徹な眼差しがまさにシルクロードの王を思わせた。井上靖や陳舜臣の本に出てくるシルクロードや中央アジアになぜか心ひかれて読んでいた。いつか砂漠の景色を見て風に吹かれたい。いつか草原で馬に乗りたい。イシク・クルの湖底に沈んでいる文明にも思いを馳せたい。喜多郎のあのテーマ音楽が耳にこだまする。昭和ノスタルジー。しかし円安だし、パンダもいなくなった日中関係は絶望的状況。果たして行けるのだろうか。いや、逆にこういう時期だからこそ、中国を訪れるべきなのかもしれない。国と国の関係はさておき、個人はいつもフラットで友好的でありたい。わたしたちには、世界中の人達と仲良く出来る自由があるのだから。