断捨離中である。亡母の本棚の本を捨てる前に読もうと手に取った1冊。ところどころに線が引いてある。読みながら母を思い出した。自分が歳をとって、あの頃の母の気持ちが分かるようになった。老い始めた心身と、まだ若い部分が交錯する微妙さを母も感じていたのかもしれない。この本が売れていた時代から社会は随分変わってしまった。女は親に従い夫に従い、老いては子に従うと言う教えも、今なら時代錯誤だ差別だ何だかんだと叩かれそうである。そこは飛ばしても、作者が言う「忘れっぽくなった自分を忘れてはいけない」と言う言葉は自分に刺さった。なんでも忘れてしまう最近の自分に毎日がっかり驚いているだが、そのうち忘れたことも忘れてしまうのかもしれないね。それに電球だって交換できなくなるし、網戸の張替えなど全く論外になるのだろうなあとぼんやり考えてしまう。超高齢化社会は、自分が20歳台の頃から予見危惧され、たくさんの施策があったはずだ。しかし結局、あらゆる政策は実を結ばなかったのだろう。誰も責任など取らないけれど。この空白の期間、1番よかったのはずっと平和だったことかもしれない。これだけは今後も揺らぐことがないことを祈るばかり。老人ばかりの停滞した社会が早く終わりますように。世界が真っ暗になる前に、出来れば夕暮れどきに死ねますように。