2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

すみだ北斎美術館 編・著「THE北斎 富嶽三十六景 アートボックス」講談社(2020)

岩波文庫の『富嶽三十六景』のあとに読んだせいだと思う。少しがっかりした。読者への心くばりが足らないと感じた。ページ表記はなぜあの位置なのだろうか。中央にあって見づらい。でも1番の問題は英訳。日本語の説明の逐語訳になっていて、無闇に長くて、…

国立劇場劇場 文楽8月9月公演 「第二部:菅原伝授手習鑑 他」

人生2度目の文楽鑑賞。前回は冬だったので着物で出かけたが、今回は猛暑のため洋服。それでも会場内には着物でお越しの人もちらほら。着物愛が熱い。国立劇場は10月末で閉館。建替え工事に入るらしい。古くなっているが、今も素敵な建物だ。最近の改築はつ…

日野原健司編「北斎 富嶽三十六景」岩波文庫(2019)

非常に読みやすい良書。文庫サイズなので、図版は両開き、そのあとに解説。適量でわかりやすい。北斎の富嶽三十六景を全部眺めてみると、北斎の好みや当時の江戸の風俗が塊となって感じられた。富士山の三角形を、桶の円形からのぞいたり、マルや三角と富士…

日テレ「最高の教師 1年後私は生徒に■された」

名演技続出のドラマ。松岡茉優主演の学園モノ。主役の九条先生は1年前に生徒に殺され、なぜだかタイムスリップして1年前の自分をやり直すことになる。同じように芦田愛菜ちゃん演ずる、いじめられっ子の鵜久森さんも、1年前にタイムスリップしてイジメ地…

サン=テグジュペリ作・内藤濯訳「Le petit prince 星の王子さま」 岩波書店(2000年)

亡き母のわずかな蔵書から持ってきた本。はじめの方に鉛筆で少し線が引いてある。なぜ引いたのか、なぜこの本を手にしたのか、何も知らない。もう聞くこともない。サンテグジュペリの「星の王子さま」といえば、バオバブ。アフリカで初めてバオバブを見たと…

岡田節人・南伸坊「生物学個人授業」新潮文庫(平成12年)

岡田節人先生のことは全然知らなかった。生物系の軽めのお話なら簡単に読めそうだと新幹線のお供に持ってきたのだが、浅はかさだった。もう20年前の本だしと、たかをくくっていた自分が恥ずかしい。「知る」とは「知らない」ことを知ることだ。岡田節人先生…

テレビ朝日「ハヤブサ消防団」

中村倫也君主演、結婚後初のドラマかな。過去に文学賞をとったが、今は振るわない中堅作家を演じている。過疎の町ハヤブサに主人公が移住して次々と事件に巻き込まれるという話。原作は池井戸潤。なかなか面白い。中村倫也の今回の役柄はどん臭そうですごく…

東京バレエ団公演「ドン・キホーテの夢」目黒パーシモンホール

目黒区の子どもバレエ祭りの公演。目黒区にはたくさんバレエを習う子どもがいるんだねえ。今回も友人のお嬢さんが出演しているので鑑賞。前回は脇役だったのに今回は主役。成長著しい。まだ20代半ばだが、その美しさは早くも円熟してきた感さえある。今回の…

柳田国男「日本の昔話」改訂版 角川文庫(昭和51年)

ゆる民俗学ラジオの黒川君の話をきいて、柳田国男を読むことにした。日焼けした古い文庫本。読み終えたら古紙回収に行く本である。最後の読者になれて光栄だ。この本の精霊も喜んでくれるかも。そんな他愛のない妄想から、昔話は生まれたのかもしれない。そ…