2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

万作萬斎狂言公演「萩大名」「小傘」パルテノン多摩

野村家三代の狂言。万作さんは90才を越えてなお舞台を踏んでいる。驚くべき人間国宝で、萩大名の大名を演じる。萬斎さんと息子の裕基さんは小傘を演じ、2つとも新年らしく楽しい狂言だった。始まる前に、石田幸雄さんから狂言の説明があった。伝統芸能を見…

角川文庫編「ビギナーズコレクション 源氏物語」(2011年初版)

大河ドラマの影響で、源氏物語を読みたいと思った。いきなり瀬戸内寂聴さんの現代語訳本に行くのはと思い、こちらを読んでおくことにした。そもそも、源氏物語は高校生の頃に読んでいる。大和和紀さんの「あさきゆめみし」という漫画でだ。大筋と人物相関は…

根津美術館「企画展 繡と織 華麗なる日本染織の世界」

表参道に行くので久しぶりに根津美術館を訪れた。入口に続く長い廊下は、左が竹垣、右が笹で既に美しい。企画展は着物の刺繡と織物。上代から明治までの布や着物が並ぶ。上代の裂(きれ)と呼ばれる布の切れ端から絢爛豪華な能衣裳まで、これを眼福というの…

フジTV「婚活100本ノック」

全然期待していなかったが、とても面白かった。主人公が「3時のヒロイン」福田麻貴さん。このドラマで初めて知ったが、彼女がいい。なによりリアリティがある。永野芽郁ちゃんではこうはいかない。お話は33歳の官能小説家南綾子が婚活という戦国をいかにして…

「PERFECT DAYS」(2023日本・独)

役所広司さん主演のヴィムベンダースの映画。東京のトイレ掃除をする初老の男性の日常を描いている。主人公平山さんは毎日繰り返される地味な日常を楽しんで生きている。木漏れ日を見上げ、木漏れ日の写真をフィルムに撮る。現像した写真は選別され、箱に入…

井筒俊彦「イスラーム生誕」中公文庫(1990年初版)

井筒俊彦さんと言えば、三十を越える語学を操る知の巨人。恐る恐る本を手に取ったが、予想以上に分かりやすくて感動した。本書は2部構成で、第1部が「ムハンマド伝」、第2部が「イスラームとは何か」だった。第1部は昭和27年初版、青年の著者が書いたもの。…

山極寿一「暴力はどこからきたか」NHKブックス(2007)

ゴリラの研究者山極先生の本。素人にはちょっと難しかったが、それでもチンパンジーやオランウータン等との比較は面白かった。暴力がどこから来たかという本題が、少し弱く感じられたのは私の読解力の限界だね。2007年の本だが15年余りたって一層世の中は殺…