2017-01-01から1年間の記事一覧

野村万作・萬斎 狂言のゆうべ 文京シビックセンター大ホール

文京区在住の萬斎さんが、最初の30分、演目の説明をしてくれる。相変わらずシュッとしたキツネ顔の萬斎さんも51歳。でも若々しい。15年ほど前は萬斎さんに夢中だったことを思い出した。出し物は3つ。小舞「景清」は萬斎さん。キレのいい華やかな舞。つ…

特別展 「運慶」 興福寺中金堂再建記念特別展 東京国立博物館平成館

東京国立博物館の「運慶」は予想通り混雑していた。博物館の奥にある平成館で開催中。「平成」も今年で29年。あと1年なのかと思うと感慨深い。どこの展覧会でもそうだが、入り口付近は混んでいる。まずは大日如来座像がお出迎え。運慶20歳の作品。奈良の円成…

3度目の殺人(2017)

なんの予備知識も持たずに見に行っていた。是枝監督の映画なのだと始まる時に知った。おおお、カンヌだ。レッドカーペットだ。と、ちょっと意味のない期待をしてしまった。主演の福山雅治は裁判で勝つことしか考えていない冷たい弁護士。久しぶりに見た福山…

台湾 鹿港(ルーガン)観光(2017)

台中から小さなマイクロバスに乗って1時間で赤レンガの街ルーガン(鹿港)に到着した。台中の干城駅のバスターミナルで中鹿客運の乗り場を探した。バス停に一枚の紙が張ってあった。中鹿客運9018と。バス停周辺にいる人たちが、ありったけの日本語で私たちに…

ダンケルク Dunkirk (2017)

初日の劇場に行った。エヘン!臨場感ありすぎだと怖いのでアイマックスは止めて普通の劇場で見た。それでも桁外れの緊迫感。何度も鳥肌がたった。話題のクリストファーノーラン監督の新作。楽しみにしていた人も多いのだろう。劇場は男性が多い。お話は第二…

吉田博展 生誕140年 山と水の風景  東郷青児損保ジャパン日本興亜美術館

吉田博の存在はNHKの「日曜美術館」で初めて知った。明治から昭和にかけての風景画家。日本国内より海外での評価が高く、版画はあのダイアナ妃の居室に掛けられていたという。平日にも関わらず、新宿高層ビル上層階の美術館は中高年で一杯だった。なんだ…

前野ウルド浩太郎 「バッタを倒しにアフリカへ」 光文社新書(2017)

表紙の人は著者だろう。緑の民族衣装にバッタの被りもの、手には虫取り網。バッタを愛して、バッタに食べられたいと願うバッタ博士のお話だ。アフリカで時折、大量発生して深刻な被害をもたらすサバクトビバッタ。その研究に、西アフリカモーリタニアに行っ…

テオ・ヤンセン展 三重県立美術館

オランダの彫刻家テオ・ヤンセンのストランド・ビーストを見に行った。彫刻家と言っても作品は帆をつけた船の骨格のようなもの。オランダ語でストランドは砂浜、ビーストは生命体。テオ・ヤンセンが作った造語で、砂浜の人工生物体という意味だ。黄色のプラ…

メアリと魔女の花(2017)

夏休みのシネコンは家族向けの映画で一杯だった。ジブリっぽいアニメが見たくてこれにした。スタジオポノックの長編第一作。監督は米林宏昌。声優陣は杉咲花に神木隆之介など有名俳優陣で一杯。期待どおり開始早々の火事のシーンは良かった。花の種を持って…

NHK大河ドラマ 「おんな城主直虎」 “嫌われ政次の一生”

久しぶりに大河で泣いてしまった。ラストがあんまりだった。柴咲コウと高橋一生にシビれた~。いやあ凄いのだ、凄いのだ。2017年度の大河は女性が主人公。女性版は総じて評判が悪い。その上、好評「真田丸」の後だから、どうしても見劣りする。そもそも歴史…

NHK ドラマ10 「ブランケットキャッツ」

重松清原作のネコにまつわる一話完結の連続ドラマ。この間の富田靖子の話が2週連続で最終回だった。西島秀俊に興味がないので、期待せずに見ていた。でも、最後にドーンときた。富田靖子は48歳の地味なバツ2の独身女性。暗くて寂しい人生を送ってきて、その…

テレビ朝日「黒革の手帖」

やっと武井咲がまともなドラマに出てくれた。松本清張原作の有名なドラマは、米倉良子を始め、多くの女優さんが演じている。貧しく育った美しい娘が詐欺を重ね銀座のクラブでのし上がっていく話だ。武井咲は、「大切なことはすべて君が教えてくれた」の時は…

TBS「カンナさーん」

人気者渡辺直美のドラマである。シングルマザーで仕事もママも元気に頑張る話である。夫が要潤。要潤の昔の彼女がシシドカフカ。そのふたりが再燃して、妻の渡辺直美は子どもを連れて離婚。姑の斎藤由貴やら、保育士の工藤阿須加なんかを巻き込んで頑張るカ…

日テレ「過保護のカホコ」

朝ドラ「トト姉ちゃん」の高畑充希が過保護で育った大学4年生の「カホコ」を演じている。ドコモのCMの色っぽいお姉さんより、まんまるお目めとふわふわファッションの「カホコ」の方が私は好きだ。愚直な「カホコ」が、同じ大学の麦野君(竹内涼真)に辛辣…

ジャコメッティ展  国立新美術館

ミュシャ展の時の長蛇の列が嘘のように、乃木坂の国立新美術館は静かだった。スイスの彫刻家ジャコメッティの回顧展を見に行った。ジャコメッティの名前は知らなかった。神経過敏で硬質な感じかと思ったら、実際は美しくて繊細な世界だった。ジャコメッティ…

高野山 壇上伽藍 金剛峯寺 霊宝館 奥の院 宿坊「不動院」

司馬遼太郎の「空海の風景」を読んで高野山に来た。16歳の頃に一度来ているが記憶はない。7月初旬、曇った空は雨を我慢している。南海なんば駅から特急こうやで高野山へ。橋本を越えた辺りから緑が濃くなり、鬱蒼とした緑が放つ生命感が天空の宗教都市「高野…

NHK ETV特集「加藤一二三という、男ありけり」

話題の「ひふみん」こと加藤一二三九段のドキュメンタリーだ。「ひふみん」の存在を知ったのは、少し前に見たNHKの「ノーナレ」という番組だった。タイトル通りナレーションが一切ない番組で、インタビューと映像でつないでいた。その形式も良かったが、…

NHK BSプレミアム「イニョプの道」(韓国2014)

韓国ドラマは一時のように取り上げられることはなくなったが、水面下では今も根強い人気がある。韓国時代ものは特に毎度同じ宮中セットと見覚えのある俳優陣で、正直「またか」と感じることもある。それでもついつい見てしまう。韓国ドラマ恐るべし。主人公…

夜空はいつも最高密度の青色だ(2017)

池松壮亮が見たくて行った。ダブル主演の石橋静河は、石橋凌と原田美枝子の娘なんだとか。芸能界も二世ばっかり。石橋静河はまっすぐ伸びた長い足とさびしげな小さな口元がいい。監督は石井裕也。「舟を編む」の監督。原作は若手詩人最果タヒの詩集で、詩集…

日テレ「フランケシュタインの恋」

♪ボクは人間じゃないんです・・・ほんとうにごめんなさい~。ドラマよりもこの曲が好きだ。お話は120歳のフランケンシュタイン綾野剛がきのこの胞子をまき散らしながら、きのこ好きの大学院生二階堂ふみと恋をする話だ。二階堂ふみは「woman」の印象が強すぎ…

土曜時代ドラマ  「みおつくし料理帖」

土曜時代ドラマ?時代劇とは違うのか?という疑問はさておき、有名な俳優さんがわんちゃか出ている時代ものだ。土曜総合夕方6時ってこんなに豪華だっけ。主演は黒木華。脚本は藤本有紀。もう見ないわけにはいかない。あれれ、なんと森本未来に永山絢斗も出て…

「動物集合」 東京国立近代美術館工芸館 収蔵作品展

北の丸公園の隅っこに国立近代美術館の工芸館はあった。初夏の緑が眩しい森の奥に進むとオレンジ色のレンガ造りの洋館があった。収蔵品の中から動物をモチーフにしたものを集めて展示した「動物集合」。布、着物から始まり工芸、陶器、彫像、絵などあらゆる…

金沢 柳宗理記念デザイン研究所

金沢からは北陸新幹線で帰ることにした。久しぶりに来た金沢駅はキレイになっていた。いろんな駅がみんな京都駅みたいになっていく。いいんだか、悪いんだか。お天気が良かったので駅からぶらぶら歩いて行った。グーグル先生によるとちょうど20分。近江町市…

日テレ「母になる」

沢尻エリカ様の額の曲線を見るために見ている。ためいきが出るカーブ。美しい。エリカ様は美しいだけじゃない。あの完璧な瞳から涙がぼろぼろ流れ出す。感動せずにはいられない。お話はシリアス。生後3歳で母親の目の前から消えた我が子が、8年後に見つかり…

日テレ「恋が下手でも生きています」

何だか見てしまっている。見逃せない感はまるでないのに、見てしまっている。高梨臨がキレイで可愛いのもあるが、土村芳が良いのである。かわいいのである。けなげなのである。そんでもってしっかりものなのである。お話は、ルームシェアしている高梨臨演じ…

TBS「あなたのことはそれほど」

波瑠は朝ドラ「あさがきた」から、「世界で一番難しい恋」「お母さん、娘をやめていいですか」と話題作に出演。ノリノリである。ちょっと前まで清涼感のある朝ドラの主人公だったのに、今では秘密の逢瀬を重ねる不倫人妻をスイスイ演じている。「お母さん、…

井上靖「孔子」 新潮文庫(1989)

「天平の甍」で気を良くして読み始めた井上靖の最後の作品。今から2500年前の思想家、孔子の話だ。さすがに資料も少なく孔子を主人公にした小説をすることは困難だったのだろう。架空の弟子が孔子を語るという形式で話が進む。この形式が若干くどいなあと思…

ブリューゲル「バベルの塔」展 東京都美術館

連休中の月曜日。東京都美術館に行ってきた。朝イチは中高年が多いがオンラインチケットで入る人は少ない。会場に入って最初の作品がいい。1mにも満たない4体の聖人の木像だ。帽子にガウン姿の立ち姿だが、服の皺から表情まで精緻で美しい。洋物の木像に馴…

NHK朝ドラ 「ひよっこ」

なんだかちょっと乗り切れない。有村架純がかわい過ぎるからか。いや違う。古谷一行がじいさんっぽくないからか。羽田美智子の茨城弁が上手すぎるからか。木村佳乃が首長すぎるからか。なんだか分からないが、ちょっと「もやっ」とする。脚本は岡田恵和氏。…

BS海外ドキュメンタリー「捨てられる養子」Disposable Children(2016)

松居和という人の保育の講演を動画サイトで見た。ちょっと衝撃的だった。私が薄情なのは子育てと関係していたのか・・・と思ったからだ。その彼のブログにこの番組が紹介されていたので見た。フランスの番組制作会社が作ったアメリカの養子の現状を描いたド…