ボリショイ・バビロン Bolshoi Babylon (2015 英)

予告を見たときのワクワクした気持ちで期待しすぎてしまった。次々に繰り広げられるインタビュー。映像が重なり、話は深く掘り下がっていったのだか・・・。リズムが変わらず飽きてしまった。美しいバレエ団の「闇」は、「美しさ」ゆえに引き立つ。ロシアの短い夏のよう。どこまでも続く冷たい大地。不毛な大地を耕す農夫。安定感と泥臭さ。ロシアはしたたかさと非情さに、絶対的な美とゆるぎなき自信を兼ね備える。ロシアの兵器「ボリショイバレエ団」、そのバレリーナは、国家を愛しながらも、同時に何一つ信頼しないという。個を生きる力は強い。バビロンは、メソポタミアの古代都市?「神の門」? タイトルは謎。神は美しきものを創造し、同時にひどく醜いものも創造する?硫酸をかけられたセルゲイは、彼のバレエ人生もこれで終わった。美しいものはやがて朽ち果てる。いろいろ振り返れば、考えさせられた。なかなか魅力的な映画だったのかもしれない。☆☆☆