オペラ「夕鶴」 新宿文化センター大ホール

2日間のオペラ公演の2日目を鑑賞。キャストは1日目と2日目で異なり、変わらないのは児童合唱だけ。「こどもの城児童合唱団」の歌声で幕が上がった。作曲は團伊玖磨、和物オペラでは有名な作品らしい。登場人物は4人。主役「つう」を演じるソプラノの伊藤晴さんを見に来た。友人の遠い後輩だ。そうでなければ、オペラ鑑賞にはそうそう行かない、行けない。晴さんの声は美しい。高音は天女のようだ。細い体から驚くほどの声量で、自らの羽根をむしりながら、愛するヨヒョウのために、布を織るつうを演じていた。お相手のテノール中鉢聡さんも素敵だった。読みは「ちゅうばち」さん。秋田件湯沢市から応援団も来ていた。男は可愛い「つう」を失って初めて事の次第を知る。女は羽根を失えばそばにいることさえかなわないのに布を織る。切ないラブストーリー。だがやはり和物オペラ。地味である。伊藤晴さんも中鉢聡さんも出来ればドレスとタキシードで見たいかも。会場には空席もちらほら。観客の年齢層はかなり高かった。音楽やるのも大変である。景気の良さはどこかで滞留しているらしい。「金、金」と言ってヨヒョウをたぶらかし「つう」を追い詰めた男達。その世界はまさに今の世の中なのかもね。