高畑勲展 国立近代美術館

昨年なくなった高畑勲の展示。会場には若者が一杯。アニメーションは人気だ。朝ドラの影響もあるかも。高畑勲広瀬すずの旦那さん一久さんに見えてくる。だが、実際の高畑勲は厳しい人だったらしい。宮崎駿もそうだが、一緒に仕事をしたら心を病みそう。井上ひさしのDV話もそうだが。素晴らしい作品の舞台裏はまた別物だ。会場には高畑勲の作ったメモが大量に展示されていた。その緻密さは驚く。斜めに傾いた丸い字がひたすら並ぶ。すべてのスタッフに知識の共有を図り、システムを構築していったらしい。とてつもない情熱。でなきや手書き風のかぐやひめは生まれないか。ハイジは天才宮崎駿がレイアウトをした最初の作品。あのハイジは種類の異なる二人の天才が作った奇跡なわけだ。だから家庭教師のトライがCMには使ってはいけないのだよ。火垂るの墓など有名な名作を残して巨匠は逝ってしまった。会場にいた若者たちの誰かがそのあとを引き継いでいくのだろう。しかし簡単には越えられない山だね。これは。