映画「ララランド」のエマストーンが、テニスのキング夫人を演じている映画である。あの細くて華奢な彼女が、テニス界の女王を演じるために、数㎏分の筋肉をつけたとか。映画では、メイク、服装、すべてが1970年代。エマは見事にキング夫人だった。お話は有名な男女対抗試合のお話。男子テニスプレーヤーで、ハスラーでもあった、55歳のリッグスと、当時女子テニス界の頂点にいた20歳台のキング夫人ことビリージーンとの戦いだ。女性の地位が低くて当たり前の時代。まあ今も意識下ではあまり変わっていないのではあるが。そういう男と女の戦いの裏でビリージーンは美容師マリリンと恋に落ちる。結婚していたビリージーンは男女の垣根を越えてマリリンを愛する。一方献身的にビリージーンを支える夫ラリー。ビリージーンの揺れる心と、それでも、テニスでリッグスを倒すと心に決め、戦いに挑む姿はりりしくてかっこいい。スポーツで頂点を極める人の持つ自信と殺気がみなぎっていて、試合も見ごたえがあった。マリリンとの関係がさら〜っときれいな話で良かったと思う。タイトルは物騒だったか、内容はむしろ明るくてコミカルでよかった。最近のLGBT流行り。殊更深刻ぶるのは好きじゃない。みんな人間だもの。