NHKドラマ10「昭和元禄落語心中」

岡田将生と山崎育三郎のダブル主演のドラマ。タイプの異なるふたりの男が共に落語を愛し噺家になる話。落語を真ん中にして対称的なふたりの男は、やがて「みよ吉」という芸者を挟んで、ひとりは死んで、もうひとりは生き残る。残った菊比古が八代目八雲を襲名し、亡くなった初太郎(助六)は、みよ吉との子ども小夏を残す。小夏は八雲の養女となってやがて八雲の弟子与太郎と一緒になる。原作はマンガらしい。最近はマンガ原作が多い。面白いストーリーに落語の演目が重なる。「タイガー&ドラゴン」、「ちりとてちん」など。役者さんは大変だが、見ている方は2倍楽しい。今回はそれが美しい男性ふたりがやるのだから、たまらない。岡田将生君の老け役は随分無理もしているのだけど、老獪な魔女のようでそう悪くない。小夏演じる成海璃子はこういう我の強そうな役ばかりだけど、特に今回はいい。かたくな小夏と老獪な八雲、ふたりに共通するのは、失った助六を求める「切なさ」。同じ哀しみを抱きながら生きていく。しびれる。助六の「芝浜」も良かったなあ。「野ざらし」「死神」、落語がしみる年頃になった。。