日本テレビ「俺の話は長い」

小池栄子生田斗真のやり取りがいい。気持ちがいい。ホームドラマだね。食事のシーンが多い。面倒くさい弟としっかり者の姉の会話に、母親の原田美枝子と、姉の夫の安田顕と、娘の清原果邪が加わって、絶妙な時間が流れていく。懐かしいけど、古くない。二部構成で前半後半で話題が変わるのも新鮮だ。脚本は金子茂樹さん。「もみ消して冬」も好きだったな。今季一番楽しみにしているドラマ。働かない息子も、再婚家族も、今はそのあたりにごろごろ転がっている。無理やりどこかに帰着するような大げさな筋立てもない。でもセリフが少しずつ心にひっかかる。「昭和生まれはハロウィーンが嫌い」もそうだし。喫茶ポラリスって名前もそうだ。昭和、平成、令和と時代は流れ、ハロウィーンも定着したらしいし、家族の形も、生き方も、考え方も変化した。以前のやり方はダメなのか。家族という一番小さな社会も例外なく変化の波にさらされる。そもそも家族という社会はほぼ全員にあり、生まれて最初の社会である。面倒くさいが、なければ困る。ややこしいが、失うと穴があく。たまたま家族なんだが、奇跡的な出会いでもある。家族ほしいな。