NHK朝ドラ「舞いあがれ」

途中、脚本家が変わってがっかりしたが、元の桑原亮子さんに戻ったら、すっかり落ち着いた。しかし、話は新年始まって、お父さんの高橋克典が亡くなって深刻。奥さん役の永作博美の泣き笑いの名演が素晴らしくて、何回見ても涙が出た。このドラマはある意味、私たちの平成反省会である。リーマンショックあたりから本格的にわたしたちは転落していった。この墜落を丁寧に描く朝ドラ。殊勝な試みかもしれない。マインちゃん、永作博美と、ばんばの高畑淳子の、母娘たちはこれからどうやって生きていくのだろう。随分暗い朝ドラだが、back mumberの切ない声と赤楚衛二のタカシ君の微笑みだけが光明である。空を飛んでなくても、トビウオはトビウオ。水の中のトビウオのように、わたしたちは如何なるときにでも飛べる翼を持っている。正念場があるうちはまだまだ大丈夫。お腹に力を入れて進むだけ。失うものは思っているほど多くない。