高野秀行「語学の天才まで一億光年」集英社インターナショナル(2022)

前々から気になっていたので、お正月のお年玉として購入。思っていた以上に共感できてあっと言う間に読んでしまった。自分も語学習得が好きなので、作者が落ち込んだ時に新しい語学を始めてしまうくだりには強く共感した。そうなのだ。語学学習には何かから逃れる力がある。同じ気持ちを持つ人間がいたんだと感慨無量になった。また作者が珍獣ムベンベを探しにコンゴを放浪したりしていた時期が自分の脱線時期とも重なり、深く感じいってしまった。読めた。話せた。聞こえた。無意味な音や記号の羅列でしかなかったものが、突然意味をなす瞬間の喜びがたまらなくて、今も性懲りもなく、言葉を学んでいる。読み終えたらまた外国語に囲まれたくなった。随分日本にこもってしまったからね。やっとコロナも落ちついてきたし、元気を出すためにも外に出ねばなりません。旅は百薬の長である。