特別展「はにわ」東京国立博物館

日曜美術館で見て、群馬で見て、トーハクで見る。ハニワが呼んでいた。日曜日の好天の上野。間違いなく大混雑だ。少しでも回避しようと朝から出陣した。待ち時間30分 で入場。大混雑たが、フェルメールバベルの塔もこれくらいの人はいた。呼び声には忠実に従い、でも固執しない程度に眺めてきた。古墳時代の知識は希薄だが、ハニワにはなぜか心ひかれる力がある、老若男女がこれでもかとスマホに写真をとっている。ハニワがそんなに好きだった?と皆、自問自答しているはずである。はるか古の民人が、当時の大君の墓前に供えるハニワを作った。動物やら、兵士やら、ただの円筒だったり、実にさまざま。どんな思いだったかは分からない。ただ、素朴な土で作ったハニワは、私たちの心の奥底にある原始の魂を揺さぶる。幼子が作ったような素朴な味わいが、いにしえの記憶と結びつくのだろうか。そもそも、私たちはどこに向かうのか分からない船に乗って、この世に現れ、やがて天に登る。死んで私たちはどこかに行くのならば、「はにわ」の作り出す穏やかな世界がいいなあと、次々と思いひろがる「はにわ」展だった。お天気に恵まれていたが、夕焼けは少しひんやり。日没の太陽はあっという間に落ちる。毎日を十分に味わって行こうね。