ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書The Post(2017米)

メリル・ストリープトム・ハンクスが主演。監督はスピルバーグ。ちょっと見ておこうかなという気がしたのは、昭和の人間だからだろうか。ベトナム戦争時の最高機密文書が盗まれ、それが明るみに出るまでの攻防のお話。新聞社同士の駆け引きや、政府関係者からの圧力やらあった上で、ジャーナリズムとは、と問いかける。今の日本にいるおかげで、単純に感動出来ないのが新しい発見。今のジャーナリズムにいる人の多くが、こういう正義に憧れて今の仕事についたはず。人の気持ちはままならないし、自分のことはわからない。それはさておき、大好きな女優メリル・ストリープが弱々しいお飾り社長から変身していく樣は見事だった。トム・ハンクスの熱い編集長もはまり役で見ていて気持ちいい。こういうドラマを私たちはずっと楽しんできた。未来を楽観的に正義はこうあるべきだと思いこんで生きてきた。老いが忍び寄ってきたせいか、ここ最近は懐疑的。正義自体が変わったのか、世界が変わったのか、はたまた見ている自分が変わったのか。さあ、どうする。そう言いながら、平穏無事な日常へ今日も埋没してゆく。