日テレ「過保護のカホコ」

朝ドラ「トト姉ちゃん」の高畑充希が過保護で育った大学4年生の「カホコ」を演じている。ドコモのCMの色っぽいお姉さんより、まんまるお目めとふわふわファッションの「カホコ」の方が私は好きだ。愚直な「カホコ」が、同じ大学の麦野君(竹内涼真)に辛辣な言葉を浴びせられながらも成長していくストーリーらしい。カホコの母親が黒木瞳、気弱なお父さんが時任三郎。強気の母とやさしい父、いまどきよくある家庭の風景だ。しかし、番組に流れるどこか悪意に満ちた視線。これは何だろうなあと思って最後まで見ていたら、脚本は遊川和彦。なるほどなるほど。面白いはずだ。高畑充希演じるカホコは素直で善良。でもそのおかげで周囲の人間を次々に追い込んでいく。恵まれた人間の脳天気な善意は暴力に近い。それにしてもまだ始まったばかりだが、今のところ一番面白そうな気がする。もちろん遊川和彦嫌いや、高畑充希嫌いが、一定数はいるので、星野源新垣結衣みたいにはいかない。でも私は遊川和彦の作品が好きだ。あの「純と愛」でさえまで最後までみたのだから。圏外(旦那の実家)に行くと声が小さくなる黒木瞳や、ノリノリだが直ぐにすねるカホコの祖父西岡徳馬や、お金をあげることぐらいしかすることないもうひとりの祖父平泉成やら。みな胡散臭くてホッとする。そもそも家族はそういう面倒くささを引き受ける場所なのだから。