テレビ朝日「ハケン占い師アタル」

大物脚本家、遊川和彦のドラマ。一癖も二癖もあって私は彼のドラマが好きだ。今回は霊視できる派遣占い師アタルちゃんのお話。杉咲花ちゃんがアタルちゃん。その母親が、若村麻由美。派遣先がイベント会社のDチーム。メンバー全員問題を抱えていて、職場の雰囲気も悪い。メンバーひとりひとりに毎回問題勃発し、やがて自暴自棄になったところで、アタルちゃんに占ってもらう。あーら不思議。見えているようで見えていなかった「真実」をアタルちゃんがサディステックに言ってくれる。状況は何一つ変わらないのに、占ってもらった人間の心の霧がすーっと消えていく。毒を吐いていた社員が変わると職場の雰囲気は一気にやわらぐ。「家を売る女」と同様、こちらもストーリーはシンプル。アタルちゃんに占ってもらうとうまくいくのである。番組後半に向かってアタルちゃんのママが出てきて盛り上げてくれるんだろうね。楽しみである。アタルちゃんは占い師というより霊視?の人だが、だれでも、自分を自分以上に理解している人を欲している。選択肢が多過ぎて情報一杯て苦心している私たちだが、実際は何を選んでもそう大した違いはないのかも。選択次第で、やる気次第で、世界はバラ色になるのだと信じてしまった私たちは、情報の海で溺死寸前なのかもしれない。誰かに何か言ってもらうだけで救われる人は多い。でも本当は誰にも言ってもらえなくても、胸に手を当てて耳を澄ませば、声がきこえるはず。神様はここにいる。ちなみに悪魔も同じこの私の中にいるのだけどね。