アリー スター誕生 A Star Is Born(米2018)

今年は音楽映画の年だった。最後がレディガガ主演のアリー。一番楽しみにしていた映画
でもあった。才能溢れる若者がスターに見いだされ、やがて大スターになる話。内容はベタだったが、レディガガの歌が素晴らしいのと、ブラッドリークーパーがあまりにもチャーミングだったので、気がついたら涙の堤防が決壊していた。ガガはインタビューで言ってたように、主人公アリーを演じているというよりもアリーの人生を生きているようだった。最初の歌ラビアンローズでがっつり、シャローでどっぷり。最後のアイルネバーラブアゲインで号泣。ガガ様、さすが。それにしてもブラッドリークーパーがいい。フェス会場を満席にするスーパースターのシンガーの役。ちょっとロック風のカントリーのシンガーで、やがてアルコールと薬でボロボロになっていく。その駄目な男を全身で守るアリーの姿が心に刺さって痛い。アリーが自分を見いだしてくれた男というだけで彼を愛しているわけではないことが、ブラッドリークーパーなら体現できるし。彼なら説得力がある。最後は切ないのだが、スターというのは悲劇を伴うもの。悲劇を抱えてこそはじめてスター誕生なのだ。大画面を前にしてドラマの渦に巻き込まれながらきく音楽もいいなあ。クリスマスの夜、駄目な男を愛するという贅沢について考えた。辿り着けない何かを抱えて生きる覚悟がちょっと崇高に思えた。ガガの歌声が胸のうちを照らす。今年最後の映画。終わり良ければすべて良し。