キラーズ オブ ザ フラワームーン(2023米)

ディカプリオとマーティンスコセッシ監督の新作。3時間半近くある大作だった。アメリカ先住民が油田を発見したところから映画が始まる。金持ちになった先住民と結婚して富を得ようとする白人達のお話。最初ディカプリオが登場してきた時、竜雷太に見えた。すっかり竜雷太だったディカプリオだが、相変わらずの名演だった。叔父役のロバート・デ・ニーロと最初に話すシーン、ディカプリオは、頭悪そうなぼんやりした中年男性アーネストを見事に演じていた。いやあ凄い。そのアーネストはやがて先住民の女性モリーと結婚し、先住民が次々と殺されていく悲劇へと繋がっていく。北米先住民に詳しい友人に教えて貰ったが、フラワームーンとは、5月の事らしい。4月に花が一斉に開花し、5月になると大きな草がたくさん生えてきて、花の成長を上回り、花たちから太陽や水を奪うことから、5月は花殺しの月、flower killing moonと呼ばれるとのこと。映画では説明なかったけど。邦題は、フラワーキリングムーンでいいのにと思った。映画は面白かった。長尺ならではの豪華な満足感があった。自分が、オセージ族側、つまり殺される側に立つと、本当に白人が怖くなった。立場が変わると見える景色は違う。最後のエピローグがまたおしゃれだった。最後の最後のカットは力強くちょっと元気を与える終わり方でまた見事。エンドロールが流れるところで聞こえるらしいコヨーテの声。これは言われなければ絶対に分からない。北米先住民に詳しい友人が教えてくれた。もう一回見てもいいかも。久しぶりにそう思える映画だった。