ウインターブラザーWinter Brothers(2017 デンマーク・アイスランド)

2019年北欧映画第2弾。今回は雪と石灰と裸の映画。デンマークアイスランドの合作らしい。色彩は北欧チックだが、中身は重くて救いがない。寒そうな北欧のどこかの田舎町の石灰工場で働く兄弟の話。弟エミルは社会性に欠ける、ちょっとやばい人。工場の薬品を盗んで密造酒を作り、仲間に売りつけている。やがてそれがばれて工場でも浮いていく。ただでさえ辺鄙な場所の暗い石灰工場。外は雪で白銀の世界。工員は地下の闇で頭につけたライトだけで岩を掘る。闇の中、ヘッドライトがチラチラ動くという映像がやたら長い。エミルの孤独に寄り添えないまま、映画は進む。印象的なのは男たちが裸になるということ。寒い寒い外とは対照的に室内は暖かいのか、弟エミルはやたら裸になる。工場でおしっこしたり、お兄さんと裸で喧嘩したり。男性の裸だけをこんなにじっくり見たことなかったので新鮮だった。最後には兄との喧嘩の原因だった彼女と仲良くトランプでマジックをしているのをみてちょっとホッとした。それでも救われない映画だったなあ。映画が終わって、私がホッとした。