毎年この時期に北欧映画を見ている。今年は友人が招待してくれた。ありがとう。この映画はノルウェーの映画。地下資源が豊富で、まじめなお国柄のノルウェー。お友達もいないし、行ったこともないからノルウェーの知識は乏しい。映画は幼い少女が「世界にはルールがある」とつぶやいて始まる。少女の父が突然母の前に愛人を連れてきて家族として一緒に住みたいと思うと提案。ありゃりゃと思ったら、いきなり父親は愛人と交通事故でなくなる。家族のルールを超える前にふたりは死んでしまった。詩を読んでいるように、場面は展開する。映像が重なりつつ、ちょっと冷たく、ちょっとコミカル、なんとも言えない浮遊感がある。さまざまなルールがあって、それぞれのルールが重なって、世界はルールのカオスとなる。人はあっけなく死ぬ。死さえも冷たく突き放している目線があって、深刻な悩みもどこか滑稽だったりする。ものさし次第で見え方も感じ方も千差万別。人生いろいろ。男もいろいろ。カオスの海に翻弄されているうちにたどり着いた岸辺はもう夕焼け。オレンジ色がキレイと思っているうちに日は沈む。自分のルールで首を吊ることはない。ルールを飛び越えて見たい景色を見に行っていい。たとえそこでエンドマークが来ても。少し早いだけかもしれないし。