NHKよるドラ「腐女子、うっかりゲイに告る」

前回の「ゾンビ」以上に目が離せないドラマ。「わた定」やら「昨日何食べた?」よりも実は一番気に入っている。高校生の主人公の安藤純君(金子大地)はゲイ。純君が好きな腐女子が三浦さん(藤野涼子)。この二人が付き合い始めるが、実は純君には、ひとまわり年上の恋人、佐々木さん(谷原章介)がいる。佐々木さんはゲイだが、妻子を持っている。純君は佐々木さんとの関係を続けながら、三浦さんと付き合う。自分も普通の男性として生きる道も歩みたいと考えたりする。そして、とうとうゲイであることがクラスでばれて、純君は教室のベランダから飛び降りる。主役の金子大地君も、藤野涼子ちゃんもとてもいい。ドキドキするほど色っぽい瞬間と、無邪気な高校生の瞬間を交錯させているのがいい。二人の切ない表情と、谷原章介の微妙な大人ぶりがドキドキさせる。ゲイだけど普通に奥さんも子供さんもいる家庭って、結構存在するんだろうなって思ってしまった。「男性相手でしかたたない」純君の悲しみ。BL好きな腐女子ではないのだけど切なく思う。好きだけど、体が反応しないことはあるし。もちろん逆もある。普通に生きられない悲しみはどこまで行っても普通に届かない。普通って何?到達できない世界にあこがれつつ暮らすことは、満ちることのない水がめに水を注ぎ続ける行為に近い。絶望的に果てしない。不毛。しかし、多かれ少なかれ、私たちはそんな不毛な世界を生きているのかもしれない。