根津美術館「企画展 繡と織 華麗なる日本染織の世界」

表参道に行くので久しぶりに根津美術館を訪れた。入口に続く長い廊下は、左が竹垣、右が笹で既に美しい。企画展は着物の刺繡と織物。上代から明治までの布や着物が並ぶ。上代の裂(きれ)と呼ばれる布の切れ端から絢爛豪華な能衣裳まで、これを眼福というのかしらん。本当に美しい。階上には中国春秋時代の青銅器の酒壺やら、掛軸の水墨画、室町の茶道具などがあった。どれもすばらしい逸品ばかりで、センスの良さを見せつけられた。お天気は少しあやしかったが、有名なお庭にも出てみた。散策用に貸出用の傘が置いてある。傘は渋めの色合いで、微妙にそれぞれが違っている。これまたおしゃれ。庭園内のカフェでゆっくりお茶はできなかったが、表参道の喧騒とは隔絶した世界を堪能。贅沢な時間だった。いろんなところがダメダメの傾国ニッポンだけど、それでもまだまだいいところは一杯あるのだと思い直した。新年早々心痛むことも多いが、なんとか負けずに乗り切りたいし。乗り切れるよう手を尽くしたい。おひとり様なので言えるのだが、あなたはひとりじゃない。