角川文庫編「ビギナーズコレクション 源氏物語」(2011年初版)

大河ドラマの影響で、源氏物語を読みたいと思った。いきなり瀬戸内寂聴さんの現代語訳本に行くのはと思い、こちらを読んでおくことにした。そもそも、源氏物語は高校生の頃に読んでいる。大和和紀さんの「あさきゆめみし」という漫画でだ。大筋と人物相関はそのおかげで今も理解している。若い頃の知識は尊い。若い頃に勉強しろと言われるはずである。15歳の自分に教えてやりたいが、きっと何を言っても無駄な年齢だった。さて、この本は初心者用の本としてはなかなか素晴らしい。各段ごとに、最初にあらすじがあり、そのあと、原文に合わせた現代語訳がある。一番最後に原文が出て来る。太字で記され、もちろんルビつきなので音読も可能である。現代語訳が二段重ねで実に丁寧だ。これなら道に迷うことがない。おかげで宇治十帖までの54段スルスル読めた。あらためてよく出来たお話だと感じ入る。因果応報。我が身がおかした罪がやがて我が身に降りかかる。ああ怖ろしい。あのときのあれ、みんなが忘れていても神様と私は覚えている。そろそろ降りかかる頃だろうか。あああ。