東京バレエ団「白鳥の湖」東京文化会館

恒例のバレエ鑑賞。今回は有名な「白鳥の湖」。誰もが名前だけは知っているこの演目だが、どんな話かは私も知らなかった。主役のオデットは悪魔の呪いで白鳥にされる。愛するジークフリード王子は悪魔の手先の黑鳥にうつつを抜かす。しかし、最後には愛の力で王子を取り戻すというお話。今回初めてナマで見た「白鳥の湖」はバレエの傑作だなあと思った 。お話はシンプルでわかりやすいし。バレエダンサーを白鳥に見立てるという発想がバレエにピッタリだと思った。細身で跳ね回るバレエダンサー達は白鳥のように繊細かつ優美でしなやか。その肉体の躍動を見るのもバレエの醍醐味だとすれば、白鳥の湖はそれを無理なく見せてくれる。白い髪飾りに、白い衣装、可憐で美しいオデットと、黒い衣装に濃いメイクで妖艶なオディール。主役が二役を演じるのも面白い。そもそもひとりの女性にはオデットとオディールが共存している。ジークフリード王子も結婚したら、一体自分はどちらと結婚したのかわからなくなるはずだ。そのあたりも、この演目の人気の秘密かもしれない。美しいバレエの世界で沈酔した春の1日、春は若々しい生命が輝く季節、失った光はひとしお眩しいものだ。